京の噺家桂米二でございます@内幸町
「京の噺家桂米二でございます」というタイトルはどこから付いたかご存じですか? もうずいぶん前になりますが、日本経済新聞のネット限定でコラムを連載していました。2003年2月から2010年2月までの7年間、隔週で全部で176回。書きましたねえ。自分で言うのもなんですが、名文もありました。若かったし、乗ってたし。
連載時は全部ネットで読めたのですが、今はもう完全にシャットアウト。自分用に保存はしてますが……。
その連載のタイトルが「京の噺家桂米二でございます」だったのです。はじめ日経新聞の担当デスクから「京の落語家桂米二でございます」と言われたのですが、我々は「落語家」より「噺家」と言うほうが好きなので変えてもらいました。
その連載のほんの一部が唯一の著書「上方落語十八番でございます」になった訳です。落語のネタに関することなので、調べられるだけ調べて苦労して書いたので、痩せましたよ。
そのタイトルからいただいたのが、落語会「京の噺家桂米二でございます」なんです。会場は深川江戸資料館で第1回を始めて、今は内幸町ホールが中心です。今度が45回ですから頑張りましたね。
東京で自分の落語会なんて考えられなくて、この会も始めた当初はかなりアウェー感がありました。でも数は重ねるもので、今は完全にホームグラウンドです。しゃべりやすいのなんの。ほんと常連さんに感謝でございます。
今回は「牛ほめ」と「千両みかん」を出しました。
ともに東西で演じられている噺ですが、私は東京落語の「牛ほめ」をわりと最近まで聴いたことがありませんでした。で、聴いたのですが、ずいぶんやり方が違いますねえ。
大阪バージョンは家の普請を褒めるのも、牛を褒めるのも失敗談から始まります。前に褒めに行ってえらい目に遭うたという訳です。その分、笑いも多いし、大阪バージョンのほうが面白いと思うのは、身びいきですな。
普請を褒めるのは、ちょっと専門的で難しいところがあります。今の私の年齢ではとても覚えられません。幸い20代で覚えたので、スラスラと勝手に口から出てまいります。
と、思てたんです。やっぱり年とともに出てこなくなってるんですよ。ちょいちょい冷や汗かいてます。新幹線の中でちゃんと思い出しときますね。
主人公の喜六が家を褒めるのは小遣いが欲しいからです。池田のおじさん(伯父か叔父かは分かっていません)の家まで行き、大黒柱の節穴を隠す方法を教えて、それで小遣いをもらうと言う訳です。
その大黒柱を褒めるのにこう言います。
「栂の芯去り八寸角の四方柾(とがのしんさりはっすんかくのしほうまさ)」
これについて「牛ほめ」という噺にとって致命的なことが分かったのですが、それはこの落語会のプログラムに書くことにいたしましょう。はい、出し惜しみでございます。
そうそう、私の本「上方落語十八番でございます」には詳しく書いてありますからね。
「千両みかん」は夏の噺。今みたいに涼しくなってからやる噺ではありません。でも真夏に東京へ行かないのだから仕方ない。
江戸時代の噺です。土用のさなか、船場の大きな商家の若旦那が病気になったところから始まります。それが元でここの番頭が走り回ることになるのですが、何度も暑い暑いと言いながら汗を拭きます。この10月に不自然ではありますが、お許しください。
そして、大阪商人の心意気をみかん問屋の主人が語って聞かせます。私がこの噺で一番好きなところであります。じっくりと聴いてください。そして「みかんが食べたい」と思ってもらえたら、演者として大変嬉しいところであります。
あ、その心意気も本に書いてありますからね。
☆10月29日(土) 19:00 ~ (開場 18:30)
第45回京の噺家桂米二でございます/千代田区立 内幸町ホール(椅子席)
🚋JR「新橋」北へ徒歩5分 TEL 03-3500-5578
「七度狐」二豆 「短命」優々 「牛ほめ」米二 「千両みかん」米二 糸:陽子
🎫前売・予約¥4,000 当日¥4,500 ユース(25歳以下・要年齢証明)¥2,000 💺全席自由
9/9(金)前売開始 問:TEL 06-6365-8281 米朝事務所(大阪)
問&予:📱080-5338-7331 桂米二予約センター(主に留守電)
📩PCメール・Yahoo・Gmail等はこちら g-yan@yoneji.com
📩携帯メール(docomo・ezweb・softbank等)はこちら yoneji.k-yoyaku.0906@ezweb.ne.jp
LINE 桂米二予約センター ID:hanashika_yoneji 🔎 08053387331
今年最後の東京公演は土曜日の夜公演です。昼間なら宿泊費が節約できるのですが……。
夏に東京へ行くことがないので、季節外れの「千両みかん」を出してしまいました。
協賛:玄海酒造
玄海酒造
内幸町ホール
内幸町ホール地図
ご予約は当日の午後4時までにお願いします。それ以後はお返事できませんが、メールの確認はできるので、チケットはご用意しておきます。
コロナ以後、ご予約にはお名前とお電話番号が必須となっております。お手数をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。
連載時は全部ネットで読めたのですが、今はもう完全にシャットアウト。自分用に保存はしてますが……。
その連載のタイトルが「京の噺家桂米二でございます」だったのです。はじめ日経新聞の担当デスクから「京の落語家桂米二でございます」と言われたのですが、我々は「落語家」より「噺家」と言うほうが好きなので変えてもらいました。
その連載のほんの一部が唯一の著書「上方落語十八番でございます」になった訳です。落語のネタに関することなので、調べられるだけ調べて苦労して書いたので、痩せましたよ。
そのタイトルからいただいたのが、落語会「京の噺家桂米二でございます」なんです。会場は深川江戸資料館で第1回を始めて、今は内幸町ホールが中心です。今度が45回ですから頑張りましたね。
東京で自分の落語会なんて考えられなくて、この会も始めた当初はかなりアウェー感がありました。でも数は重ねるもので、今は完全にホームグラウンドです。しゃべりやすいのなんの。ほんと常連さんに感謝でございます。
今回は「牛ほめ」と「千両みかん」を出しました。
ともに東西で演じられている噺ですが、私は東京落語の「牛ほめ」をわりと最近まで聴いたことがありませんでした。で、聴いたのですが、ずいぶんやり方が違いますねえ。
大阪バージョンは家の普請を褒めるのも、牛を褒めるのも失敗談から始まります。前に褒めに行ってえらい目に遭うたという訳です。その分、笑いも多いし、大阪バージョンのほうが面白いと思うのは、身びいきですな。
普請を褒めるのは、ちょっと専門的で難しいところがあります。今の私の年齢ではとても覚えられません。幸い20代で覚えたので、スラスラと勝手に口から出てまいります。
と、思てたんです。やっぱり年とともに出てこなくなってるんですよ。ちょいちょい冷や汗かいてます。新幹線の中でちゃんと思い出しときますね。
主人公の喜六が家を褒めるのは小遣いが欲しいからです。池田のおじさん(伯父か叔父かは分かっていません)の家まで行き、大黒柱の節穴を隠す方法を教えて、それで小遣いをもらうと言う訳です。
その大黒柱を褒めるのにこう言います。
「栂の芯去り八寸角の四方柾(とがのしんさりはっすんかくのしほうまさ)」
これについて「牛ほめ」という噺にとって致命的なことが分かったのですが、それはこの落語会のプログラムに書くことにいたしましょう。はい、出し惜しみでございます。
そうそう、私の本「上方落語十八番でございます」には詳しく書いてありますからね。
「千両みかん」は夏の噺。今みたいに涼しくなってからやる噺ではありません。でも真夏に東京へ行かないのだから仕方ない。
江戸時代の噺です。土用のさなか、船場の大きな商家の若旦那が病気になったところから始まります。それが元でここの番頭が走り回ることになるのですが、何度も暑い暑いと言いながら汗を拭きます。この10月に不自然ではありますが、お許しください。
そして、大阪商人の心意気をみかん問屋の主人が語って聞かせます。私がこの噺で一番好きなところであります。じっくりと聴いてください。そして「みかんが食べたい」と思ってもらえたら、演者として大変嬉しいところであります。
あ、その心意気も本に書いてありますからね。
☆10月29日(土) 19:00 ~ (開場 18:30)
第45回京の噺家桂米二でございます/千代田区立 内幸町ホール(椅子席)
🚋JR「新橋」北へ徒歩5分 TEL 03-3500-5578
「七度狐」二豆 「短命」優々 「牛ほめ」米二 「千両みかん」米二 糸:陽子
🎫前売・予約¥4,000 当日¥4,500 ユース(25歳以下・要年齢証明)¥2,000 💺全席自由
9/9(金)前売開始 問:TEL 06-6365-8281 米朝事務所(大阪)
問&予:📱080-5338-7331 桂米二予約センター(主に留守電)
📩PCメール・Yahoo・Gmail等はこちら g-yan@yoneji.com
📩携帯メール(docomo・ezweb・softbank等)はこちら yoneji.k-yoyaku.0906@ezweb.ne.jp
LINE 桂米二予約センター ID:hanashika_yoneji 🔎 08053387331
今年最後の東京公演は土曜日の夜公演です。昼間なら宿泊費が節約できるのですが……。
夏に東京へ行くことがないので、季節外れの「千両みかん」を出してしまいました。
協賛:玄海酒造
玄海酒造
内幸町ホール
内幸町ホール地図
ご予約は当日の午後4時までにお願いします。それ以後はお返事できませんが、メールの確認はできるので、チケットはご用意しておきます。
コロナ以後、ご予約にはお名前とお電話番号が必須となっております。お手数をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。
この記事へのコメント
確かに、現行上方版のほうが旦那が大きくなりますが、この演り方になったのは、米朝流の型をみんながやりだしたからなのでしょうか、それとも米朝師以前にその演り方をやってた人がいたのでしょうか。
なお、同じく筑摩書房にある「お玉牛」では、お玉さんが村にやってきた経過と初心(うぶ)な娘でないという、現行の前につくべき部分が載っていたりしますが、こちらのほうは、現行版は立花家花橘の型だというのがハッキリしているようです。