米二・染二ふたり会
「高津の冨」という噺は笑福亭のお家芸と言われています。六代目笑福亭松鶴師匠の十八番でした。ではうちの師匠、桂米朝はやったことがないのか、というとそんなことはございません。ただあまりやらなかったんです。私も2回しか聴いていません。それもまだ噺家になる前、高校生の時でした。
それがいつだったか調べてみます。1975年(昭和50年)1月2日と3日、大阪サンケイホールの「桂米朝独演会」でした。このうち3日の録音が「桂米朝上方落語大全集」というLPレコードになり、のちにCDになりました。
その後、私の(頼りない)記憶では一度も「高津の冨」はやっていません。つまり、LPレコードに残すためだけにやったとも言えるのです。その後、なぜやらなかったのか? それは……知りません。訊いといたらよかったねえ。今となってはこういうことがよくあります。
うちの師匠、このLPレコードに残すためだけにやった噺がいくつかあります。この「高津の冨」のほかには「がまの油」もそうです。……たぶん。そのほかには……思い出さへんなあ。珍品でたくさんあるはずです。また調べときます。
ではうちの師匠にとって「高津の冨」は大切なネタではなかったのかというと、そんなことはないのです。1947年(昭和22年)、四代目桂米團治師匠に入門する前、この「高津の冨」と「くしゃみ講釈」を手見せとしてやってはるんですよ。つまり弟子入り前の試験みたいなものです。それが「高津の冨」と「くしゃみ講釈」と大ネタなのには驚きます。ちなみに私は「子ほめ」でした。えらい違いやけど、こっちのほうが妥当ですよ。
うちの師匠の「高津の冨」は松鶴師匠のやり方と少し違うところがありました。それが自身の工夫なのか? それとも四代目米團治師匠の工夫なのか? 訊いといたらよかったねえ。こんなりばっかりや。
昨年亡くなった桂小米兄さんが「高津の冨」をやってはりました。うちの師匠に直接稽古してもらったものです。……たぶん。あ、コロナが退散した暁には、小米兄さんの追善落語会をやりたいと思ってます。なんとか来年の三回忌に合わせて。
そんな「高津の冨」を明日の「米二・染二ふたり会」で私、桂米二がやります。初演です。新演出を……入れたかったんですが、うかつなことはできないので、うちの師匠の型でやらせてもらうつもりです。
☆11月14日(月) 18:30 ~ (開場 18:00)
第10回米二・染二ふたり会/🏮天満天神繁昌亭(椅子席)
🚇Osaka Metro地下鉄「南森町」4-B出口・🚋JR東西線「大阪天満宮」7号出口・徒歩3分
「質屋蔵」他一席 染二 「高津の冨」(初演)他一席 米二 トーク有 糸:公美子
🎫前売・予約¥3,000 当日¥3,500 👪ユース(25歳以下・要年齢証明・10席限定)¥2,000
📞06-6352-4874 繁昌亭窓口 11~19時
問&予:📱080-5338-7331 桂米二予約センター(主に留守電)
📩PCメール・Yahoo・Gmail等はこちら g-yan@yoneji.com
📩携帯メール(docomo・ezweb・softbank等)はこちら yoneji.k-yoyaku.0906@ezweb.ne.jp
LINE 桂米二予約センター ID:hanashika_yoneji 🔎 08053387331
同じ「二」の字が付く林家染二君とふたり会。
恒例のネタ下ろし、今年は「高津の冨」をやらせてもらいます。
11月14日は桂米二の入門記念日。今年で46年になります。ああ怖ろしい……。
25歳以下(要年齢証明)のユース料金チケットは桂米二予約センターまで。
一応、10席限定とさせてもらっておりますが、そこは臨機応変で……。
林家染二オフィシャルホームページ
天満天神繁昌亭
天満天神繁昌亭地図
ご予約お待ちしております。なるべく午後4時までに。その後はメールの確認はできますが、お返事できないと思います。だもチケットはご用意しておきます。
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