落語界の心配ごと

「落語界にとって一番心配なことは何ですか?」

こんな質問を受けました。これは難しい質問ですね。もちろん心配はいろいろありますが、上方落語の場合はずっと以前に比べると減ったように思います。

まず土台として天満天神繁昌亭ができたこと。それまで一門が違って会う機会がほとんどなかった人と頻繁に顔を合わせるようになりました。意外と気が合ってなんでも話ができる仲になったり、一緒に会を始めることにまで発展することもあります。逆に、こいつとは合わんなあ、というのもある訳ですが……。どちらにしても繁昌亭の存在は大きいです。

東京の場合は協会が違うと会う機会が少ないようですね。繁昌亭の楽屋でしたが、落語芸術協会の桂米助師が「その人のことは協会が違うからよく知らない」とおっしゃってました。お隣の晩ごはんはよく知ってる人が知らないのですから。

言葉の問題。落語の言葉は古くて分かりにくいと言われます。どれぐらいお客様に伝わっているでしょう?

昔は船場と島之内(どちらも今は大阪市中央区)の言葉が違ったそうです。今、それが分かる人は居ないでしょう。私は京都なので、大阪と京都の違いは意識しました。いや、今も意識し続けてます。ふとしたところに京都訛りが出てしまいますから。でも長年、大阪の言葉をしゃべろうと努力していると、逆に京都弁をしゃべるのが難しくなりました。もっとも、今の若い人で「そうどす」なんて言う人は居ないと思いますが……。舞妓ちゃん以外は。

古い言葉をどう伝えるか? でも逆に言うと昔の言葉を今生きている人は知らないのです。明治時代の大阪弁は誰も知りません。今みたいに録音ができたら、違ってきたとは思いますが……。ですから、言葉についてはお年寄りも含めて、今の人が違和感を感じなければそれで良いと思います。例え明治時代の人がそれを聞いて「それは違うよ」と言うてきたにしても。ま、言うてこないでしょうけど。

べつの心配ごとですが、今の時代はパワハラ、セクハラが大きな問題になります。封建的な師弟制度の落語界は、少なくともパワハラはあります。弟子に対して「師匠の言うことが聞けんのか!!」もパワハラなんでしょうね。

ただ師匠を擁護したいところもあります。というのは、師匠のほうから頼んで弟子になってもらったんではありません。向こうから押しかけてきたから弟子にしたのです。弟子のほうは、この師匠に教えを受けたい、学びたいと思ってるのですから。師匠というのはそこに甘んじて弟子に無茶を言うてはいけない。と、これぐらいで良いと思うのは、今は師匠の立場に私が居るからでしょうか?

セクハラなんて以前は考えもしませんでした(一部を除く)。今のように女流噺家が増えてくると考えなければなりません。うちの二葉は女流と呼んで欲しくない、とまで言うてますから。ずっと男の世界だった落語界ですが、これからは大きく考え方を変えないといけないのでしょう。

これは心配というより希望ですが、上方落語の噺家がみんな繁昌亭昼席へ出られるようになったらいいなあ、と思います。南光兄さんをはじめ、弟子の南天君、弟弟子である紅雀君なんかが昼席に出てくれたら、繁昌亭昼席は、そして上方落語界は盛り上がります。私が番組編成委員会委員長で繁昌亭昼席の出番を決める立場になって、強く思うようになったことです。ま、希望ですが……。

心配ごとはまだまだありますが、今、一番の心配は「明日の落語会、お客さん来てくれはるやろか?」なんです。ほんまの心配ごとはこれですよね。

という訳で、明日の「こころ坂・楽々落語会」のお知らせです。

  ☆7月29日(土) 15:00~ (開場 14:30)
第62回こころ坂・楽々落語会/集酉楽Syu-Yu-Raku・サカタニ(椅子席)
 🚋京阪「七条」川端七条東入南側・🏪ファミリーマート2F
 ファミリーマートサカタニ京阪七条店 右の階段を2階へ
「御公家女房」遊真 「お玉牛」鯛蔵 「青菜」米二
「楽屋トーク」米二×鯛蔵 「百人坊主」米二 糸:正子
💺限定70席  協力:👩京都女子大学落語研究会
🎫前売・予約¥2,500 当日¥3,000 👪ユース(25歳以下・限定5席・要年齢証明)¥500
問&予:サカタニ(水~日・10~18時) TEL 075-561-7974
📧Eメール info@sosake.jp
または桂米二予約センター 📱080-5338-7331(主に留守電)
📧PCメール・Yahoo・Gmail等はこちら g-yan@yoneji.com
📧携帯メール(docomo・ezweb・softbank等)はこちら yoneji.k-yoyaku.0906@ezweb.ne.jp
📶LINE 桂米二予約センター ID:hanashika_yoneji 🔎 08053387331
 コロナ前のように3ヶ月に一度開催に戻りました。
 そして原則、皆さんに来ていただきやすい昼公演にいたしました。

集酉楽 Syu-Yu-Raku サカタニ

集酉楽サカタニ地図

20230729 62 こころ坂・楽々落語会 L.jpg

このチラシの画像をスマホの画面で出してもらったら、ご予約無しでも前売・予約料金にいたします。先日の「不定期落語会」では何人ものお客様がスマホでチラシを見せてくれはりました。感謝!!

そして明日の会の次に入りが心配な会がこれです。「音太小屋寄席」はいつも秘密クラブみたいになってます。秘密クラブにするつもりなんてないのに。

  ☆8月11日(金・祝) 14:00~ (開場 13:30)
第68回桂米二音太小屋寄席/天満・音太小屋(2F・椅子席)
 🚇Osaka Metro地下鉄・🚋阪急「天神橋筋六丁目」東へ徒歩5分
「桃太郎」二豆 「虫売り」ちょうば 「道具屋」米二
「楽屋トーク」米二×ちょうば 「菊江仏壇」米二 糸:まき
💰予約¥2,500 当日¥3,000 👪ユース(25歳以下・要年齢証明)¥500
🍻終演後、参加料1,000円(🍞軽食・🍷1ドリンク付)で懇親会有
問&予 📱TEL 090-8211-1440 音太小屋(日本会計用品内)  6/11(日)午前10時より予約開始
📩PCメール(音太小屋) tsmtz@yahoo.co.jp
または桂米二予約センター(メール、LINEのみ)
📩PCメール・Yahoo・Gmail等はこちら g-yan@yoneji.com
📩携帯メール(docomo・ezweb・softbank等)はこちら yoneji.k-yoyaku.0906@ezweb.ne.jp
📶LINE 桂米二予約センター ID :hanashika_yoneji 🔎 08053387331
 樋之口町交差点西南角から少し西の「米二幟」が目印。その細い路地を入ってすぐ。
 終演後、参加料1,000円(1ドリンクと軽食付き)で懇親会あります。お代わりは別料金。
 懇親会では皆さんからのご質問にお答えします。難問歓迎!!
音太小屋

音太小屋地図

20230811 68 音太小屋寄席 L.jpg

こちらもチラシをスマホの画面に出してもらったら、予約料金にいたします。

もちろん、どちらの会もFacebook見たの一言でもかまいません。できるだけ当日料金を回避してもらいたいという思いでございます。

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