入門記念日の落語会

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11月14日は桂米二にとって大事な日です。入門記念日なのです。世間に入社記念日はあっても、入門記念日がある人は少ないことでしょう。入門しない限り記念日はないのですから。

入門をネットの辞書で調べてみました。

1 門のうちにはいること。「葷酒(くんしゅ)の―するを許さず」
2 師について、弟子となること。「落語家に―する」
3 学問・技芸などを学びはじめること。「パソコンの―書」

我々の場合は2番ですね。ちゃんと例文に落語家が入ってるやないですか。私が弟子入りして桂米二という名前になった日が11月14日なんです。あれから48年。怖ろしい年月ですな。

入門記念日は私にとってある種、誕生日よりも大事です。だって誕生した日のことは覚えてないけど、入門した日のことは鮮明に覚えてます。

山科の実家から私と母を乗せて、父の運転で武庫之荘の桂米朝宅まで行きました。父と母はうちの師匠に挨拶して帰って行きました。父が師匠に会ったのはこの1回だけでした。母は何度か会ってますが。

手土産代わりに一升瓶を6本ぐらい積んで行きました。その頃、米朝宅には一升瓶が溢れてたので要らんと言えば要らなんだでしょうね。

その日は師匠の遅れての誕生日祝いと吉朝兄さんの卒業祝いで凄まじい宴会が始まったのでした。メンバーは覚えているだけで、枝雀、朝丸(ざこば)、朝太郎、歌之助、小米、米太郎、米輔の直弟子たち。べかこ、雀三郎などの孫弟子……。当時のベストメンバーがみんな居たように思います。その光景は19歳の少年にはあまりにも刺激が強過ぎました。

その日は手伝いも何もしなくて良いと言われましたが、そういう訳にも行きません。当時の内弟子の千朝兄さん、米八兄さんのお手伝いで酒の燗などできることはやってました。さすがに飲みませんでしたが……。

凄まじいと言いましたが、何が一番凄まじかったかお話しましょう。私と入れ替わりで内弟子を卒業した吉朝兄さん。その日に堺の実家まで帰ることになっていました。そろそろ帰ろうという時、誰が言い出したのか分からんけど大合唱が始まりました。

「吉朝を送ろ、ガンガラガンのガン。吉朝を送ろ、ガンガラガンのガン」

これは落語の「風の神送り」で「風の神送ろ、ガンガラガンのガン」のパロディなんです。風の神の人形を橋の上から川に流すという風習の真似なんです。真似どころではない、本当に吉朝兄さんを川へ落したんです。パロディでも洒落がきつ過ぎました。怪我しなかったのが幸いでした。ずぶ濡れになったけど。うちの師匠が一言、

「風呂へ入れてやれ!」

とおっしゃったこともはっきり覚えてます。

みんな酔っぱらってたけど私は素面でした。入門初日に見てしまった私の驚きをご想像ください。……ま、すぐに慣れましたけどね。

あれから48年。毎年、入門記念日に開いている落語会が「米二・染二ふたり会」です。今年の私にとってのレアネタは「こぶ弁慶」です。

  ☆11月14日(木) 🕡18:30 ~ (開場🕕18:00)
第12回米二・染二ふたり会/🏮天満天神繁昌亭(椅子席)
 🚇Osaka Metro地下鉄「南森町」4番出徒歩3分・🚋JR東西線「大阪天満宮」7番出口徒歩2分
「中村仲蔵」他一席 染二 「こぶ弁慶」他一席 米二 トーク有 糸:公美子
💴前売・予約¥3,000 当日¥3,500 👪ユース(25歳以下・要年齢証明・10席限定)¥2,000
📞06-6352-4874 天満天神繁昌亭窓口 手数料無料
問&予:📱080-5338-7331 桂米二予約センター(主に留守電)
📩PCメール・Yahoo・Gmail等はこちら g-yan@yoneji.com
📩携帯メール(docomo・ezweb・softbank等)はこちら yoneji.k-yoyaku.0906@ezweb.ne.jp
📶LINE 桂米二予約センター ID:hanashika_yoneji 🔎 08053387331
 同じ「二」の字が付く林家染二君とふたり会。
 恒例のネタ下ろしはちょっとお休みして今年はレアな「こぶ弁慶」をやらせてもらいます。
 11月14日は桂米二の入門記念日。今年で48年になります。
 25歳以下(要年齢証明)のユース料金チケットは桂米二予約センターまで。

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午後5時頃までご予約メール、LINEを受け付けています。
またチラシ画像提示、ブログ見たの一言でも前売料金にさせていただきます。

武庫之荘の師匠の家の前、道路の向こう側を流れている川に吉朝兄さんをはめました。

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